商品パッケージのリニューアルで外せない3つのポイントと注意点
商品の顔となるパッケージは、実店舗やECサイトなどにおいて消費者が最初に目にするところです。商品の購入を促すためには、消費者の目にとまりやすく、興味関心を惹き出す魅力的なパッケージのデザインを考えることが重要です。ほかにも、商品のコンセプト・ブランドイメージを視覚的に伝える必要があります。
売上が伸び悩んでおり、「パッケージで競合商品との差別化ができていない」「ターゲット層に好まれるデザインが分からない」などの課題を持つ企業も少なくありません。なかには、商品の魅力をさらに引き出すためにパッケージのリニューアルを検討している方もいるのではないでしょうか。
この記事では、商品のパッケージをリニューアルする際のポイントや注意点について解説します。
目次[非表示]
- 1.パッケージの重要性
- 2.パッケージをリニューアルする際のポイント
- 2.1.①デザインのコンセプトを決める
- 2.2.②与えたい印象で色を選ぶ
- 2.3.③商品の売りをキャッチコピーに組み込む
- 3.パッケージのリニューアルを行うときの注意点
- 4.まとめ
パッケージの重要性
商品のパッケージは、消費者の購買意欲を高めるために重要な広告ツールです。
インターネット上や店頭にあらゆる商品が並ぶなかで、消費者はパッケージの情報を見て買うかどうかの意思決定を行います。ほかの商品と比較して印象が薄いパッケージは、消費者の目にとまりにくく、比較検討のプロセスまで到達しません。
また、「競合商品との違いが分からない」「商品の売りが分からない」「デザインが古い・好みでない」などと感じられると、購買意欲が高まらず購入に至らない結果になってしまいます。
さらに、トレンドをただ反映したり、見た目のかっこよさ・可愛さ・美しさのみを重視したりしたパッケージは、目立ちやすいものの、中長期的なブランディングは難しくなります。
自社商品を手に取ってもらい購入につなげるためには、ターゲットに商品を印象づけて、「欲しい」と思わせる魅力的なパッケージのデザインにすることが重要です。ほかにも、長く愛される商品にするには、ターゲットの趣味嗜好や感性に合ったデザインに工夫することも求められます。
パッケージをリニューアルする際のポイント
パッケージのリニューアルを行う際は、商品の特徴や魅力がひと目で伝わるデザインにすることが大切です。押さえておくポイントには、以下の3つが挙げられます。
①デザインのコンセプトを決める
なぜリニューアルするのか、どのような人に購入してほしいのかなど、目的とターゲットを定めて、デザインのコンセプトを決めます。
商品の特徴やイメージ、ターゲット層を踏まえつつ、「パッケージを見たときにどのような商品と思われたいか」を軸に考えることがポイントです。
▼デザインコンセプトの考え方の例
- 価格以外の付加価値で競合他社と差別化を図るために、高級感を出す
- 新たな顧客層を狙うために、商品のイメージをより柔らかい印象に変える
- 商品の新ラインの立ち上げに当たり、これまでのデザインを一新する
②与えたい印象で色を選ぶ
ターゲットにどのような印象を与えたいかを考えて、パッケージの配色を選ぶことがポイントです。
パッケージの配色は、消費者の注目性や印象に影響する大切な要素の一つです。色によって与える印象が異なるほか、年齢・性別によるイメージや心理的に働きかける象徴的な色があります。
▼色が与える印象の例
- 女性→やわらかい色
- 男性→落ち着いた色
- 暖かい→暖色系
- 冷たい→寒色系 など
どのような印象をターゲットに与えたいのか、デザインのコンセプトを踏まえつつ、イメージを反映する配色を考えることがポイントです。ターゲットの感性に響く色をパッケージに採用することで、直感的に商品を選んでもらいやすくなります。
▼色が持つ一般的なイメージ
カテゴリ |
種類 |
与えるイメージ |
1.色の種類 |
赤 |
強い、情熱的、活動的 |
青 |
静か、さわやか、神秘的 |
|
ピンク |
かわいい、甘い、やさしい |
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黄 |
快活、希望 |
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オレンジ |
明るい、ポジティブ |
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緑 |
おだやか、落ち着いた、自然な |
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茶 |
自然な、落ち着いた、保守的な |
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黒 |
クール、高級感 |
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白 |
純粋、清潔、無 |
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2.明度 |
明るい色 |
軽い、やわらかい |
暗い色 |
重い、かたい |
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3.彩度 |
鮮やかな色 |
派手、目を引く |
淡い色 |
落ち着いた、くすんだ |
③商品の売りをキャッチコピーに組み込む
キャッチコピーは、まだ購入したことがない消費者が「どのような商品なのか」「どのような魅力・強み・こだわりがあるのか」を判断する要素となります。
商品を目立たせて、強みとして訴求したい“売り”ポイントを分かりやすく伝えるためのキャッチコピーをパッケージに組み込みます。
▼キャッチコピーに組み込む“売り”ポイントの例
- ターゲットの悩み・ニーズに訴えかけて共感を得るもの
- 購入後の使用シーンを想像できるもの
- 商品のこだわり(競合商品と違うこと)をアピールするもの
パッケージのリニューアルを行うときの注意点
パッケージのリニューアルを行うときは、以下に注意する必要があります。
▼パッケージリニューアルの注意点
- 商品名・ロゴを見やすい場所に配置する
- 既存のイメージを大切にする
- 使いやすさ・安全性を確保する
リニューアルによってデザインを変えると、既存顧客が商品を認識できなくなる可能性があるため、商品名・ロゴは見やすい場所に設置する必要があります。
また、商品のイメージを従来のまま引き継ぎたい場合には、既存パッケージのイメージから世界観が崩れないようにします。デザインのコンセプトを変えずに、魅力アップのための改善を図る場合には、複数の試作品を作成して、既存を残すところ・変更するところを見極めることが重要です。
さらに、商品のパッケージには、使いやすさ・安全性が確保されていることが大前提となります。デザインだけでなく、商材に合った形状・素材のパッケージにすることが大切です。
まとめ
この記事では、商品パッケージのリニューアルについて以下の内容を解説しました。
- パッケージの重要性
- パッケージをリニューアルする際のポイント
- パッケージのリニューアルを行うときの注意点
商品のパッケージは、消費者の購買意欲を高める重要な要素の一つです。リニューアルする際は、目的・ターゲットを踏まえてデザインコンセプトを決めること、ターゲットに与えたい印象に合わせた色を選ぶこと、商品の売りが伝わるキャッチコピーを組み込むことが大切です。
また、パッケージのリニューアルによって購入促進を図る際は、ツールを活用してデザインを検討することも有効です。近年では脳科学を利用し、消費者の感性の側面からアプローチするものも登場しています。
コニカミノルタの『EX感性』では、感性脳工学に基づいて人の感性を見える化して、デザインを定量的に解析できます。広告の印象や注目度を分析することで、よりターゲットに適した広告を制作できるようになり、消費者の購買行動を後押しします。
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なお、マーケティングの観点から見たデザインについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。