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棚割りを最適化して購買促進! 5つのポイントや方法を解説

百貨店やスーパー、ドラッグストアなどの小売店では、多種多様な商品が陳列されています。商品を見やすく探しやすい陳列にすることはもちろん、棚前で足をとめてから購買意欲を刺激して、つい手に取りたくなるような棚割りを考える必要があります。

棚割りの方法によって、顧客の意思決定が左右されるため、商品の売れ行きにも大きく影響します。店舗の棚割り業務において「商品が売れる棚割りが分からず、勘や経験で行っている」「頻繁に欠品や余剰在庫が発生してしまう」などとお悩みの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、小売店における棚割りの基礎知識をはじめ、購買の購買意欲を高めるポイントや最適化する方法について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.棚割りの基礎知識
  2. 2.棚割りを最適化するためのポイント
    1. 2.1.①関連商品を近くに配置する
    2. 2.2.②売れ行きに応じてフェイス数を調整する
    3. 2.3.③ゴールデンゾーンを意識する
    4. 2.4.④目線の動きに合わせて商品配置を考える
    5. 2.5.⑤商品の特性に合わせた陳列方法を取り入れる
  3. 3.棚割りの最適化にはツールの活用が有効
  4. 4.まとめ


棚割りの基礎知識

店舗によって陳列商品や棚数はさまざまですが、何を・どこに・いくつ配置するかを考えることが棚割りの基本となります。

棚割りを考えるときの基本要素として、次の3つが挙げられます。


▼棚割りの基本要素

要素

内容

1.グルーピング

商品のカテゴリを分ける

2.ゾーニング

店内のスペースに合わせて陳列棚・什器を配置する

3.フェイシング

陳列棚に並べる商品の列数(フェイス数)を決める


グルーピングでは、商品の用途・機能・ブランド・サイズ・価格帯・デザインなどのさまざまな切り口で商品を分類・整理します。分類・整理された商品を同じカテゴリの商品でまとめて陳列することが一般的です。

ゾーニングにおいては、顧客の店内動線やスペースなどを考慮して、移動しやすい・探しやすい・手に取りやすい場所に陳列棚を配置する必要があります。

フェイシングでは、商品を売りたい量や売れ行きに応じて、棚の列数を増減することが重要です。



棚割りを最適化するためのポイント

棚割りを最適化するには、棚割りの基本となる3つの要素を踏まえつつ、顧客の行動や視線の流れを意識して、商品の配置場所を検討することが重要です。押さえておくポイントには、次の5つが挙げられます。


①関連商品を近くに配置する

商品をカテゴリ別に分類したうえで、関連性の高い商品カテゴリを近くに配置することがポイントです。

関連性のある商品を近くに配置することで、顧客がスムーズな動線で買い物をしやすくなります。また、本来探していなかった関連商品にも目がとまり、“合わせ買い”の促進につながりやすくなる効果も期待できます。


▼関連商品の配置例

  1. 肉売り場の近くにタレを設置する
  2. 歯ブラシの近くに歯磨き粉やマウスウォッシュを配置する
  3. ベットマットの近くにまくらやシーツを配置する


②売れ行きに応じてフェイス数を調整する

商品の売れ行きに応じて、棚のフェイス数を調整することもポイントです。

売れ筋商品・主力商品・回転率が高い商品はフェイス数を増やして、反対にあまり売れない商品についてはフェイス数を少なくします。

フェイス数が多くなるほど目にとまりやすくなり、手に取ってもらえる可能性が高まることが期待できます。また、フェイス数が多いと十分な商品数を陳列できるため、在庫切れが起こるのを防ぐことが可能です。


③ゴールデンゾーンを意識する

売れ筋商品や売上を伸ばしたい商品については、ゴールデンゾーンに配置することもポイントの一つです。

ゴールデンゾーンとは、商品が目につきやすく、手に取りやすい棚の位置のことで、人の胸から肩あたりを指します。基本的にはおおよそ床から60〜150cmあたりまでの範囲となります。ただし、性別や年齢によって変わるため、商品の購入層に応じて高さを変える必要があります。


④目線の動きに合わせて商品配置を考える


一つの棚のなかで商品陳列を考える際は、視線の動きを意識してメリハリのある商品配置を行うことがポイントです。

顧客が棚の中央に立って商品を探すときには、左上から右下へと順に視線が動く性質があります。ただし、視線の動きにはさまざまなパターンがあるため、商品カテゴリを分ける基準や特性に合わせて検討する必要があります。


▼目線の動きを意識した商品配置の例

  • 最初に目にする左上に新商品・目玉商品を配置する
  • 棚の中段や右側に主力商品・定番商品を配置する
  • 高価格帯を上段・中価格帯を中段・低価格帯を下段に配置する
  • 売れ行きの悪い商品を中央・売れ筋商品を両側に配置する(視認性向上)


このように、顧客の目線の動きを踏まえて陳列方法を検討する際は、視線分析のツールを用いることも有効です。分析結果に基づいた陳列を行うことで、売りたい商品を手に取ってもらいやすくなる効果が期待できます。


⑤商品の特性に合わせた陳列方法を取り入れる

主力商品・新商品・セール商品・販売を強化したい商品など、商品の特性に合わせて陳列方法・場所を変えることも有効です。

陳列方法には、一般的に縦陳列・横陳列・島陳列・エンド陳列・ジャンブル陳列などの種類があり、それぞれ特徴が異なります。


▼主な陳列方法

陳列方法

特徴

縦陳列

  • 同じカテゴリの商品を、垂直に陳列する手法
  • 陳列棚の各商品の位置を把握しやすい

横陳列

  • 同じカテゴリの商品を、横一列に陳列する手法
  • 商品を大量に陳列しやすく、視線を集めやすい

島陳列

  • 什器を設置して、台の上に商品を陳列する手法
  • 売りたい商品を目立たせることができる

エンド陳列

  • 陳列棚の両端に商品を陳列する手法
  • メイン通路の棚の場合、売上につなげやすい

ジャンブル陳列

  • 什器を設置して、無造作に商品を陳列する手法
  • お得感を演出しやすい


それぞれの特徴を生かした効果的な陳列例は、以下のとおりです。


▼商品の陳列例

  • 新商品・期間限定商品の視認性を高めるために、エンド陳列・島陳列で配置する
  • セール商品・見切り商品のお得感をアピールするために、ジャンブル陳列で配置する
  • 特定のカテゴリの商品を訴求するために、横陳列で配置する
  • 同じカテゴリの商品を見やすく配置するために、縦陳列で配置する



棚割りの最適化にはツールの活用が有効

棚割りを最適化して購買促進を図るには、ツールの活用が有効です。

人の手で棚割りを行う場合、対応が属人的になってしまい、担当者によって品質のばらつきが生まれることがあります。また、新商品の販売・商品入れ替え・セールなどを行う際には、全体の商品を考慮しながら棚割りを再検討する必要があるため、時間やノウハウなどのリソースが必要です。

顧客目線になって動線・視線を分析できるツールを活用すれば、現状の課題・改善点などを明らかにできるため、棚割りの最適化につなげられます。近年では、棚割りを脳科学に基づいて分析し、消費者の感性の側面からアプローチするものも登場しています。

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▼EX感性のメリット

  • どこが見られているのか分析できる
  • 視線の動きと滞在時間を見える化する


EX感性を活用すると、顧客が商品のどこを見ているのかをヒートマップで表示して、初期認知したあとの視線の動きや滞在時間を見える化できます。顧客の視線予測を行うことで、商品の特性に合わせた棚割りを検討できるようになります。



まとめ

この記事では、店舗の棚割りについて以下の内容を解説しました。


  • 棚割りの基礎知識
  • 棚割りを最適化するためのポイント
  • 棚割りの最適化に役立つ分析ツール


棚割りは、顧客の購買行動を後押しするために欠かせない要素の一つです。商品を手に取ってもらうには、関連商品を近くに配置するとともに、商品の売れ行きに応じてフェイス数を調整する、ゴールデンゾーンや人の目線の動きを意識する、商品の特性に配慮して陳列することがポイントです。

また、人の手による棚割り業務を効率化して、より最適化された商品配置を行うには、顧客目線に立って視線を分析できるツールを活用することも有効です。

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なお、顧客行動を後押しするための視線誘導については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

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