売れるパッケージデザインの作り方とは? 注意点とポイントを解説
商品のパッケージデザインは、消費者の視覚や感性に訴えかけて購買意欲を高める重要な要素の一つです。数ある商品が店内に並ぶなかで消費者の目を惹き、手に取ってもらうためには、商品の特徴や魅力がひと目で伝わるパッケージデザインを制作する必要があります。
商品開発部門やマーケティング部門の担当者のなかには「商品のパッケージデザインをリニューアルして売上を伸ばしたい」「競合他社との差別化を図って自社商品の付加価値を高めたい」などとお悩みの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、パッケージデザインの基本的な作り方と売れるデザインづくりのポイントについて解説します。
なお、商品のパッケージデザインで大切なことについては、こちらの記事で解説しています。併せてご覧ください。
目次[非表示]
- 1.パッケージデザインの作り方
- 2.売れるパッケージデザインを作るポイント
- 2.1.①ターゲットの特徴を分析する
- 2.2.②商品のコンセプトを表現する
- 2.3.③売り場を考慮したパッケージにする
- 3.パッケージデザインを作る際の注意点
- 4.まとめ
パッケージデザインの作り方
商品のパッケージデザインを作る際は、主に5つのステップで進行します。
▼パッケージデザインを作る手順
- ターゲットを設定する
- 商品のコンセプトを定める
- 想定される売り場を設定する
- パッケージの素材・形状を決定する
- デザインを制作してパッケージに印刷する
目を惹くパッケージデザインを作るには、「商品をどのような人に購入してもらいたいか」を考えて、ターゲットを設定する必要があります。ターゲットが決まったら、商品のコンセプトを定めて配色・ロゴ・キャッチコピーなどの視覚的な要素に落とし込みます。
また、消費者の目にとまりやすくするために、想定される売り場の陳列棚やディスプレイに配置しやすく、手に取りやすいサイズにします。
さらに、パッケージの素材・形状は見た目の印象を左右するほか、丈夫さ・開封のしやすさ・持ちやすさ・保存性などにも影響します。商品の種別や活用シーンに合わせて機能性のある素材・形状を選ぶことが重要です。
具体的なパッケージデザインと素材・形状が決まったら、制作を行い印刷に進みます。パッケージデザインの制作や印刷は、外部の制作会社または印刷会社に依頼するケースもあります。
売れるパッケージデザインを作るポイント
消費者が思わず手に取りたくなるパッケージデザインを作るには、ターゲットの嗜好性やニーズ、売り場での視認性などを踏まえて、自社商品の“らしさ”が伝わる訴求を行うことが重要です。
①ターゲットの特徴を分析する
商品を売りたいターゲットを定める際は、属性だけでなく価値観・興味・思考・購買習慣などの特徴を分析することがポイントです。
ターゲットとする人物が「どのような要素で商品を選んでいるか」「何に興味関心を抱くか」「商品に対してどれくらいのお金をかけるか」などを深掘りすることで、購買意欲や感性を刺激するデザインの表現に役立ちます。
▼ターゲットの特徴を分析する方法
分析方法 |
概要 |
アンケート |
店頭やECサイトの訪問者にアンケートを実施して、日々の購買習慣、ライフスタイル、商品に対する課題・ニーズなどを調査する |
Webサイトのアクセス解析 |
自社商品を購入した人の属性や購買履歴などのデータを統合・蓄積して、解析ツールを用いた分析を行う |
会場調査(CLT) |
調査対象者を特定の会場に集めてアンケートやインタビューを行い、商品の印象、使用感など対する意見・感想を収集する |
ソーシャルリスニング |
SNSや口コミ・レビューサイト、個人ブログなどで発信された消費者の意見を収集して、市場トレンド・自社商品の評価、インサイトなどを把握する |
定量的・定性的なデータを収集して分析することで、消費者の傾向をつかみ、ターゲットの目線に立ったパッケージデザインを検討できます。
なお、会場調査(CLT)についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
②商品のコンセプトを表現する
パッケージデザインを作る際には、商品のコンセプトを視覚的に表現する必要があります。
商品のコンセプトは、商品の魅力や世界観、体験価値などを消費者に正しく伝えるための軸となります。自社が創造したアイデアを象徴する要素となるため、与えたいイメージが消費者に伝わるデザインにすることが重要です。
▼商品のコンセプトをデザインとして具現化する際のポイント
- 商品の世界観を表現するテーマカラーを決める
- ターゲットの嗜好にマッチする、またはニーズへの共感を生むキャッチコピーを入れる
- 色・フォントが与える印象や心理効果を考慮して、商品が持つ機能と価格帯との整合性を保つ
- 商品のコンセプトが見た目・触感で伝わる素材選びと加工を行う
競合他社との差別化を図り、独自性のあるコンセプトを表現するには、ポジショニング分析が役立ちます。「自社商品が市場でどのような位置づけになっているか」「競合他社の商品と比べたときの強み・弱みは何か」を分析することで、自社がアピールできる要素を見極められます。
③売り場を考慮したパッケージにする
消費者に商品を手に取ってもらうために、売り場の規模や陳列方法などを考慮したパッケージにすることもポイントの一つです。
▼売り場を想定したパッケージの例
- 同じ種別の商品とパッケージのサイズ・形状を合わせて、同じスペースの陳列棚に配置できるようにする
- 商品のサイズ・重さを基に陳列棚の位置(上部・中央・下部)を想定して、視認性を確保できる位置に写真・イラスト・キャッチコピーなどを入れる
商品が店頭にどのように並ぶかを想定することで、設置場所に合わせたサイズや形状などを検討でき、消費者の目にとまりやすくなる効果が期待できます。
なお、売り場づくりのコツについてはこちらの記事で解説しています。併せてご覧ください。
パッケージデザインを作る際の注意点
商品のパッケージデザインを作る際は、以下の注意点があります。
▼注意点
- 商品を保護できる素材を選ぶ
- 法令違反に気をつける
パッケージには、商品を保護する役割もあります。梱包作業や購入後の持ち運びによって中身が破損または劣化しないように、商品の特性に合った材質・形状のパッケージにすることが求められます。
また、法令によって義務づけられている表示をしているか、第三者の著作権や商標権を侵害していないかを確認しておくことも欠かせません。パッケージの表示に関する法令には、景品表示法や食品表示法、著作法などが挙げられます。
まとめ
この記事では、パッケージデザインについて以下の内容を解説しました。
- パッケージデザインの作り方
- 売れるパッケージデザインを作るポイント
- パッケージデザインを作る際の注意点
商品のパッケージデザインにこだわることで、消費者の購買意欲にアプローチして手に取ってもらうきっかけとなります。売れるパッケージデザインを作るには、ターゲットの特徴を分析したうえで、商品のコンセプトを視覚的に表現すること、売り場を考慮したサイズや形状にすることがポイントです。
また、制作したパッケージデザインがどのような印象をもたらすか、ツールを活用して定量的に評価・分析することも有効です。
コニカミノルタの『EX感性』は、独自の画像解析技術と感性脳工学に基づき、視線の動きや印象などを定量的に分析することで、より“売れる”パッケージデザインへ導けます。
▼売れるデザインを評価する『EX感性』
人の興味や感性を見える化して、与えたい印象につながっているかを評価することで、商品コンセプトの表現力を高められます。
EX感性に関する詳しい資料は、こちらからご確認ください。