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売り場作りで顧客の購買意欲を高めるには? 実践したい4つのコツ

店舗の売上を伸ばすための重要な施策の一つに、売り場作りがあります。魅力的な商品が並べられていても、顧客の目にとまらなかったり、商品の魅力や価値がうまく伝わらなかったりすると、販売機会を逃してしまいます。

商品を手に取ってもらうには、来店した顧客の注目や関心を惹きつけて、「この商品を買ってみたい」「店内をもっと見て回りたい」と思ってもらえる売り場を作ることが大切です。

店舗のマネージャーやマーケティング部門の担当者のなかには「どのように商品を陳列すればよいか」「顧客の購買意欲を高めるために有効な手法はあるか」などと気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、売り場作りの基本的な要素と顧客の購買意欲を高めるコツについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.売り場作りで押さえておく基本的な要素
  2. 2.売り場作りのカギは“マーチャンダイジング”
  3. 3.顧客の購買意欲を高める!売り場作りのコツ
    1. 3.1.①テーマを反映したディスプレイを行う
    2. 3.2.②商品の特性に応じた陳列方法を選ぶ
    3. 3.3.③販促アイテムで訴求力を高める
    4. 3.4.④AIDMAを意識した動線を設計する
  4. 4.まとめ


売り場作りで押さえておく基本的な要素

店舗の売上を向上させるには、顧客の購買意欲を高めて購入を後押しする売り場作りが重要です。売り場作りに必要な基本的な要素には、以下が挙げられます。


▼売り場作りの基本的な要素

  • どこに何があるのかを見つけやすい
  • ストレスなく回遊できる
  • おすすめ商品や売れ筋商品がひと目で分かる


来店した顧客のなかには、購入したい商品が決まっている人もいます。商品のカテゴリやブランド別に陳列棚・スペースがきれいに整理されている売り場は、どこに何があるのかを見つけやすくなり、スムーズに買い物ができます。

また、店内の動線と通路幅が確保されていると、顧客がストレスなく歩き回れるようになります。回遊性のある売り場を作ることで、商品に気づいて手に取ってもらえる機会も増加すると考えられます。

さらに、店内で常時販売している定番商品のほかに、おすすめの新商品や売れ筋商品がひと目で分かる見せ方をすると、顧客の注目を集めて購入を後押しする効果が期待できます。



売り場作りのカギは“マーチャンダイジング”

マーチャンダイジングとは、商品を顧客に売ることを目的とした商品計画や売り場作りの戦略を指します。店舗の売り場作りに取り組む際は、マーチャンダイジングを意識してレイアウトやディスプレイを作ることがカギとなります。

マーチャンダイジングの概念には、以下の5つの適正があります。


▼マーチャンダイジングの5つの適正

概念

意味

適正な商品

顧客のニーズを満たす商品を揃える

適正な時期

季節やイベントなどを考慮して、顧客にとって必要な商品の仕入れと販売を行う

適正な場所

顧客の目にとまりやすく、手に取りやすい場所に商品を陳列する

適正な数量

商品の販売データを踏まえて、過不足が出ないように商品の数量を調整する

適正な価格

商品の原価と顧客が手に取れる価格のバランスを見て、適正な販売価格を設定する


また、マーチャンダイジングにはマーケティング活動の訴求軸が異なる3つの手法があります。これら3つの手法を取り入れて売り場を作ることで、購買意欲の向上につながりやすくなります。


▼マーチャンダイジングの3つの手法

手法
概要

ビジュアルマーチャンダイジング

店内のディスプレイやPOPなどの見せ方を工夫して、購買行動に沿った商品の訴求を行う

クロスマーチャンダイジング

関連性のある商品を訴求して、“合わせ買い”や“ついで買い”を促す

ライフスタイルマーチャンダイジング

ターゲットのライフスタイルを軸にしてコンセプトに合った商品を総合的に提案する


なお、ビジュアルマーチャンダイジングについてはこちらの記事で解説しています。併せてご覧ください。

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顧客の購買意欲を高める!売り場作りのコツ

売り場作りを行う際は、顧客が買い物をしやすいレイアウトにするとともに、商品の魅力や価値が伝わる見せ方にする必要があります。マーチャンダイジングを取り入れた売り場作りのコツには、以下の4つが挙げられます。


①テーマを反映したディスプレイを行う

売り場のディスプレイを考える際は、商品のテーマを反映させることがコツです。どのような商品が売られているのか、視覚的な情報から直感的に把握できるようにすることで、顧客の興味関心を惹きつけやすくなります。

テーマを売り場に反映する際は、季節やイベント、ライフスタイルなどを軸に棚替えを行ったり、統一感のある空間演出を行ったりすることが重要です。


▼テーマを反映したディスプレイの例

軸とするテーマ

ディスプレイの例

季節

春に新生活に必要な生活用品のコーナーを設ける

イベント

クリスマスに適した関連商品を配置する

ライフスタイル

世界各国の食文化にちなんだ食品をまとめて配置する


また、色によって人に与える印象が変わるため、設定したテーマや商品にふさわしい配色を取り入れるとイメージが伝わりやすくなります。


②商品の特性に応じた陳列方法を選ぶ

顧客に商品を手に取ってもらうには、商品の特性に応じた陳列方法を選び、視認性を高める必要があります。

並べ方・間隔・陳列量などを調整することで顧客から見た商品の印象が変わります。特におすすめ商品や季節商品などの目立たせたい商品については、目にとまりやすい場所・位置に配置することがコツです。


▼商品の陳列方法

陳列方法

概要

トライアングル陳列

背の高い商品を中心に、背の低い商品を両サイドに配置して三角形になるように積み上げる方法

リピート陳列

同じ商品を同じ間隔・向きで連続して並べて、陳列面積を広くする方法

シンメトリー陳列

ディスプレイの中心線から左右対称に規則正しく商品を配置する方法

アシンメトリー陳列

ディスプレイの中心線から左右非対称になるように商品を配置する方法

ダブルアタック陳列

売りたい商品の両サイドを売れ筋商品で挟みこんで配置する方法

ジャンブル陳列

バスケット・ワゴン・トレーなどに商品を無造作に入れて、ボリュームや迫力を出す方法


なお、棚割りを最適化する方法についてはこちらの記事をご覧ください。

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③販促アイテムで訴求力を高める

顧客がつい目にとめてしまうような売り場を作るには、販促アイテムを活用して商品を魅力的に訴求する方法があります。


▼販促アイテムを取り入れた売り場作りの例

  • 新商品の魅力を紹介する手書きのPOPを陳列棚に設置する
  • 商品の利用を想起させるキャッチコピーを記載したパネルや天吊りを設置する
  • 季節を連想するさせる色やグッズで装飾する
  • 商品の利用シーンを想定したインテリアアイテムで装飾する


POPやパネル、インテリアアイテムなどで売り場を装飾することで、店内の雰囲気づくりにも役立ちます。落ち着いた雰囲気、華やかで明るい雰囲気、高級感のある雰囲気など、演出したい空間に合わせて活用することがコツです。


なお、売り場で活用するPOPの作り方については、こちらの記事で解説しています。

  POPで売り場の訴求力をアップ! 4つの役割と作り方のポイント デパートや百貨店、スーパーなどの店舗では、売り場で“POP”が活用されています。売り場にPOPを設置することで、顧客による商品の認知を獲得したり、商品の訴求力を高めて購買意欲を醸成したりする効果が期待できます。この記事では、売り場のPOPが持つ役割と目を惹くPOPを作るポイントについて解説します。 EX感性 - 売れるデザインを科学する


④AIDMAを意識した動線を設計する

顧客が買い物をしやすい売り場にするには、AIDMAを意識した動線を設計することがコツです。AIDMAとは、顧客が商品を認知してから購入するまでの行動を5段階に分類したモデルを指します。

入店してから店内を回遊する動線がスムーズかつ長くなるほど、さまざまな商品と接触する機会が増えて売上の向上につながりやすくなります。


▼AIDMAを意識した動線設計

段階

動線設計の例

Attention(注意)

店舗の入り口すぐの場所におすすめ商品を展示する

Interest(興味関心)

商品のテーマやカテゴリに合わせた陳列方法で、「店内をもっと見て回りたい」という期待感を醸成する

Desire(欲求)

各陳列棚でPOPやパネル、グッズなどを用いた装飾を行い、「利用してみたい」と思わせる

Memory(記憶)

ディスプレイや装飾方法で視覚的な印象づけを行い、記憶に残るようにする

Action(行動)

商品の購入を後押しする



まとめ

この記事では、店舗の売り場作りについて以下の内容を解説しました。


  • 売り場作りで押さえておく基本的な要素
  • マーチャンダイジングの概念と手法
  • 顧客の購買意欲を高める売り場作りのコツ


店舗の売上向上を図るには、スムーズに買い物がしやすく、商品の魅力や価値が伝わる売り場を作ることが重要です。マーチャンダイジングを意識したディスプレイや陳列方法を取り入れることで、商品に触れる機会が増えるほか、購買意欲の向上につながります。

また、売り場のディスプレイや陳列方法を検討する際は、来店した顧客がどのような心理・行動で商品を手に取るのか、定量的に分析することがポイントです。

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