POPで売り場の訴求力をアップ! 4つの役割と作り方のポイント
デパートや百貨店、スーパーなどの店舗では、売り場で“POP”が活用されています。POPとは、“Point Of Purchase(購入する場所)”という意味があり、商品の近くや陳列棚に設置する販促ツールのことです。
売り場にPOPを設置することで、顧客による商品の認知を獲得したり、商品の訴求力を高めて購買意欲を醸成したりする効果が期待できます。
店舗のマネージャーやマーケティング部門の担当者のなかには、「目を惹くPOPを作るにはどうすればよいか」「POPを活用して売上の向上につなげるポイントはあるか」と気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、売り場のPOPが持つ役割と目を惹くPOPを作るポイントについて解説します。
なお、売り場作りのコツについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
目次[非表示]
- 1.売り場に設置するPOPの役割
- 2.目を惹くPOPにするには? 作り方のポイント
- 2.1.①伝える情報を絞る
- 2.2.②使う色は3色程度にする
- 2.3.③数字を使ってアピールする
- 2.4.④写真やイラストを入れる
- 2.5.⑤オブジェクトにメリハリをつける
- 3.売上につながるPOPの作成は“効果検証”がカギ
- 4.まとめ
売り場に設置するPOPの役割
POPには、さまざまな商品が展示されている売り場のなかで、訴求したい商品を見てもらったり、顧客に促したい行動を後押ししたりする役割があります。
「何を訴求して、どのような行動を取ってもらいたいか」によって、活用されるPOPの種類が異なります。
▼POPが持つ役割と一般的な種類
役割 |
概要 |
具体例 |
商品の説明 |
商品の特徴や性能、価格などの基本情報を提供する |
|
商品の演出 |
商品のコンセプトやディスプレイのテーマに合ったイメージづくりを行う |
|
店内の案内 |
どこに何が置いてあるのかを示して店内の回遊を誘導する |
|
告知 |
新商品や限定商品、キャンペーン情報などをアピールする |
|
設置する場所やディスプレイの大きさなどに応じたPOPを活用することで、顧客の注目を惹きつけたり、情報の直感的な理解を促したりして、購買意欲を高める効果が期待できます。
目を惹くPOPにするには? 作り方のポイント
POPを活用して売り場の訴求力を高めるには、顧客が目を惹くPOPを作成する必要があります。作り方のポイントには、以下の5つが挙げられます。
①伝える情報を絞る
POPを作成する際は、伝える情報を絞る必要があります。
陳列棚やディスプレイの一角に設置するPOPには、情報をひと目で理解できることが求められます。情報量が多くなると直感的に内容が伝わりにくくなるほか、最後まで読んでもらえない可能性があります。
2秒ほどで情報の大枠、15秒ほどですべての情報が伝わるように、POPの目的を踏まえて伝える情報を取捨選択することがポイントです。
▼伝える情報を絞ってPOPを作成する方法
- POPで何を伝えたいのか、目的とターゲットを明確にする
- 訴求したい内容を踏まえて伝えたい情報を洗い出す
- 伝えたい情報を優先度別に分類して、POPに記載する内容を絞り込む
②使う色は3色程度にする
POPをデザインする際は、色数を3色程度に抑えることがポイントです。
色を取り入れるとPOPが鮮やかになり、視線を集めやすくなる効果が期待できますが、色が多すぎると雑然とした印象になってしまう可能性があります。
色数を3色程度に抑えて配色することで、すっきりとまとまった印象になるほか、注目してほしいメッセージを際立たせられます。
POPの配色を考える際は、配色比率を意識することが有効です。一般的な配色の基本としてベースカラー・メインカラー・アクセントカラーを70:25:5の比率で配分することが効果的とされています。
▼配色比率
配色 |
概要 |
ベースカラー |
POPの下地や余白などのもっとも面積が広い色 |
メインカラー |
POPの基調となる色 |
アクセントカラー |
デザインに動きをつけて視線を集めるための色 |
POPの土台となるベースカラーは、全体の印象を左右する要素となります。メインカラー・アクセントカラーの明度を上げた色や無彩色が適しています。
メインカラーはデザインの基調となることから、店舗の雰囲気や商品のコンセプトを反映できる色を選ぶ必要があります。ベースカラーと同系色を選ぶと調和が生まれ、補色を選ぶとメリハリのあるデザインになります。
アクセントカラーは、目立たせたい部分にのみ取り入れます。ベースカラー・メインカラーと異なる反対色や色彩が強い色を選ぶと視線を集めやすくなります。
③数字を使ってアピールする
商品の説明や告知などにPOPを用いる際には、数字を使って訴求力を高める方法があります。
具体的な数字を盛り込むことで、商品を利用することによる効果や価値が伝わりやすくなり、説得力を高められます。
▼数字の取り入れ方
- 30%OFF
- 売上No.1
- ○○調査または○○アンケートで1位
- 当店人気No.1
④写真やイラストを入れる
顧客に伝えたい情報を直感的に理解してもらうには、写真やイラストを取り入れることが有効です。
イラストや写真は、文字だけのPOPと比べて視覚的に情報を捉えられるため、文字数を抑えながら情報量を充実させることが可能です。
▼写真やイラストの活用例
- 商品のイメージ写真を入れる
- 商品の活用シーンが分かるイラストを手書きする
- 宣伝に起用された人物やキャラクターの画像・イラストを入れる
⑤オブジェクトにメリハリをつける
目にとまりやすく、読みやすいPOPを作るために、オブジェクトのメリハリをつけることもポイントの一つです。
文字の大きさや情報を整えて配置したり、顧客に与えたいイメージに合わせてレイアウトを変えたりすることで、印象的なPOPになります。
▼メリハリのあるPOPの作り方
- 一番伝えたいメッセージの文字を大きくする
- 文字のサイズを2~3種類に統一する
- 特徴や性能を伝える場合は箇条書きにする
- 吹き出しや下線、ラインマーカーを活用する
- POPの背景に余白をつくる
なお、売り場作りに活用する販促物のデザインについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
売上につながるPOPの作成は“効果検証”がカギ
POPを活用して売上の向上を図るには、どれくらいの販促効果が得られたのか効果検証を実施して改善につなげることが重要です。
▼効果検証を実施する方法
- 店内でインタビューや覆面調査を実施する
- POPの付近・陳列棚にAIカメラやセンサーを設置する
- 顧客の視点の動きや注目性を評価・分析できるツールを活用する
売り場にある各コーナーへの立ち寄り人数や滞在時間、経路などのデータを計測することで、顧客の動きを分析してPOPの場所・位置・内容を見直せます。
まとめ
この記事では、売り場に設置するPOPについて以下の内容を解説しました。
- POPの役割と種類
- 目を惹くPOPの作り方とポイント
- 効果検証を実施する方法
売り場の販促ツールとして活用するPOPには、商品説明の補足や、イメージづくりのための演出、店舗の案内・告知を行うなどの役割があります。
目的に合わせて伝える情報を絞るとともに、統一感のある配色にすること、数字や写真・イラストを取り入れること、オブジェクトにメリハリをつけることがポイントです。また、POPを設置したあとは顧客の購買行動にどのような効果があったのかを計測・分析して、POPのデザインや売り場の改善につなげる必要があります。
しかし、「POPのどの要素が購買行動を刺激したのか」「どのような印象を持たれているのか」などを定量的に評価することは難しく、制作担当者の主観に左右されやすくなります。勘や経験に頼らない客観的な評価を行うために、ツールを活用することも有効です。
コニカミノルタでは、POPを含む販促物の効果を最大化させるツール『EX感性』を提供しています。EX感性を活用すると、最先端の画像解析技術と感性脳工学に基づき、売り場の注目性や印象などを定量的に分析・評価できます。制作担当者の勘や経験に頼らない根拠のあるデザインで、POPによる効果の最大化を図ります。
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