販促物のデザインを選定するコツ! 失敗しないための注意点とは
販促物とは、商品の認知拡大や購買行動を後押しすることを目的としたツールです。代表的なものには、POPやポスター、チラシ、DM(ダイレクトメール)、カタログなどが挙げられます。
販促物は、商品の宣伝やキャンペーンの案内、店舗での訴求などのさまざまなシーンで活用されていますが、顧客へ効果的なアプローチを行うには“デザイン”が重要なポイントとなります。
店舗のマネージャーやマーケティング部門の担当者のなかには、「販促物を活用して売上の向上につなげたい」「商品のよさが伝わったり、目を惹いたりするデザインを選びたい」といった課題を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、販促物のデザインが持つ役割や効果的なデザインを選定するコツ、失敗しないための注意点について解説します。
なお、POPの役割と作り方のポイントについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
目次[非表示]
販促物のデザインが購買意欲を左右する
販促物には、商品の認知向上や興味関心の喚起を図り、購買行動を後押しする役割があります。
そのうち見た人の印象に関わるものが、配色・フォント・画像などのデザイン要素です。これらの要素は商品の魅力を表現して、人の感性に訴求する力を持っています。デザインによって商品のイメージや情報の伝わりやすさが変わるため、顧客の購買意欲にも影響すると考えられます。
自然と目にとまるデザインは、認知の獲得を図れるほか、記憶にも残りやすくなることが特徴です。販促物の内容を強く印象づけることによって、商品名やブランド名を覚えてもらったり、店舗またはWebサイトに訪れてくれたりするケースがあります。
また、商品の特徴や魅力が分かりやすく伝わるデザインは、顧客の興味関心を醸成して「買ってみたい」「使ってみたい」という意欲を刺激します。これにより、購買行動を後押しして売上の向上につながる可能性も期待できます。
販促物のデザイン選定で押さえておきたいコツ
販促物のデザイン制作を発注する際、「複数のデザイン案のなかからどれを選べばよいのか」と悩むケースがあります。顧客の目を惹き、購買意欲を高めるデザインにするには、以下のコツを押さえておくことが重要です。
①商品のイメージに合わせた配色にする
販促物のデザインは、商品のイメージに合わせた配色を選ぶことがコツです。
色には人の印象と感情に影響を与える心理効果があり、色の種類や明度・彩度、配色のパターンによってイメージが変わります。
商品のコンセプトや世界観を表現できる配色を選ぶことで、顧客に与えたい印象を引き出して感情・感性に訴えかけられます。
▼代表的な色が持つイメージ
色の種類 |
連想させるイメージ |
赤 |
愛、情熱、強い |
青 |
静か、合理的、学術的 |
緑 |
安心、みずみずしい、若い |
黄 |
注意、喜び、元気 |
オレンジ |
美味しそう、華やか、陽気 |
紫 |
神秘、高貴、知的 |
茶 |
旨味、落ち着き、渋い |
ピンク |
かわいい、優しい、幸福 |
グレー |
上品、謙虚、都会的 |
白 |
純粋、清潔、透明感 |
黒 |
かっこいい、はっきり、重い |
また、デザインに使用する色を3色程度に抑えると、まとまった印象になります。配色比率や同系色・補足の組み合わせによっても印象が変わります。
▼配色を考えるポイント
- ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの比率を70:25:5にする
- 統一感のある雰囲気を出したい場合は、同系色で配色する
- インパクトを出したい場合は、ベースカラーにメインカラーの補色を選ぶ
- 各色の明度・彩度を揃える
②見やすいレイアウトに整える
POPやポスター、チラシ、パンフレットなどをデザインする際は、見やすいレイアウトに整えることがコツです。
テキスト・画像の位置が不揃いになっていたり、記載する情報が散らばっていたりする場合、顧客が読みにくくなり伝えたい情報が届かない可能性があります。
見やすい販促物にするには、情報を整理して配置するとともに、オブジェクトを整列させてメリハリのあるレイアウトにすることが重要です。
▼レイアウトのポイント
- テキスト・画像を配置する際に縦横のラインを揃える
- 文字のフォントやサイズの種類は2~3つ程度に限定する
- タイトル・本文・キャプションで文字のサイズを変える
- 記載したい情報をグルーピングして配置する
なお、レイアウトを考える際は、アルファベットの“Z”を描くような視線の流れを意識してオブジェクトを配置することが有効です。
視線の動きを意識したレイアウトの方法は、こちらの記事で紹介しています。
③ひと目で内容が伝わるようにする
POPやポスター、チラシなどを見た顧客がひと目で内容を把握できるようにすることも重要です。
「何の商品なのか」「何が言いたいのか」をひと目で把握できるデザインにすることで、直感的に情報を理解しやすくなります。
一番伝えたいことはシンプルなメッセージにして、画像やイラストなどのキービジュアルで視覚的に訴求することがコツです。
▼ひと目で内容を伝えるポイント
- 顧客の共感や注意を促すキャッチコピーを入れる
- 販促物で伝えたい情報に応じて、上部または中央のキービジュアルに商品の画像やイラスト、イメージフォトなどを入れる
- タイトル・見出しは文字のサイズを大きく、または色づけして強調する
④アクションを促す情報を記載する
顧客の購買行動を後押しするために、販促物に次のアクションを促す情報を盛り込むことが重要です。
POPやポスター、チラシなどを見た顧客が「店に行ってみたい」「Webサイトを見てみようかな」と思ったときに行動に移しやすくなります。
▼アクションを促すための情報例
- 店舗の基本情報(住所・地図・営業日・営業時間・連絡先)
- WebサイトのURLまたは二次元コード
- SNSのアカウント名または二次元コード
- 店舗やWebサイトで使えるクーポンコード
- 販促物を店舗に持参した人限定の特典
店舗またはWebサイトで使える割引やキャンペーンなどの情報を記載すると、特別感が生まれて集客を促す効果も期待できます。
販促物のデザイン選定に失敗しないための注意点
販促物のデザインを選定する際には、以下の注意点があります。
▼注意点
- 訴求したいターゲット層を明確にする
- ターゲット層と活用する場面に合わせてデザイン・情報を選ぶ
販促物で“誰に何を伝えたいのか”を考えて、デザインを選定することが重要です。ターゲット層を明確にすることで、課題・ニーズを踏まえた情報を提供したり、共感を生むメッセージを考えたり、感性に響く配色を考えたりできます。
また、見た目のインパクトやおしゃれなデザインだけを重視したデザインは、商品の印象と異なったり、訴求内容が伝わりにくくなったりする可能性があります。
販促物の訴求力を高めるには、見て欲しいターゲット層や活用する場面に応じてデザインと記載する情報を選ぶことが必要です。
まとめ
この記事では、販促物のデザインについて以下の内容を解説しました。
- 販促物の役割と重要性
- 販促物のデザイン選定で押さえておきたいコツ
- 失敗しないための注意点
販促物のデザインによって顧客への印象や情報の伝わりやすさなどが左右されます。購買意欲を高めて商品の購入を後押しするには、顧客にとって分かりやすく魅力的なデザインにする必要があります。
また、販促物を活用する場面を踏まえつつ、ターゲット層の「注目を集めやすいか」「感性に訴求できるか」を考えてデザインや情報を選定することが重要です。
ただし、販促物の評価は制作担当者の勘や経験に依存しやすく、注目度や印象などを定量的かつ客観的に評価することは難しいといえます。
コニカミノルタの『EX感性』は、最先端の画像解析技術と感性脳工学に基づき、売り場における視線の動きや印象などを定量的に分析・評価できます。顧客の感性を可視化することで、担当者の主観による判断をなくしてデザインの最適化を図れます。
詳しいサービス内容は、こちらの資料をご確認ください。