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店舗マーケティングで売上向上を目指す! 3つの実践方法と成功させるポイント

デジタル化が進み、顧客がインターネットを利用して情報収集をしたり、商品を購入したりできるようになりました。顧客との接点が多様化・複雑化するなかで店舗の売上を向上させるには、リアルならではの魅力・強みを生かした買い物体験を提供することが求められます。

そこで重要な取り組みといえるのが“店舗マーケティング”です。店舗のマネージャーやマーケティング部門の担当者のなかには「店舗マーケティングとは何なのか」「どのような施策を取り入れるとよいのか」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

この記事では、店舗マーケティングの概要や実践方法、成功させるポイントについて解説します。

なお、売り場作りで顧客の購買意欲を高める方法については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

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目次[非表示]

  1. 1.店舗マーケティングとは
  2. 2.店舗の売上を構成する3つの要素
  3. 3.店舗マーケティングの実践方法
    1. 3.1.①来店客数を伸ばす施策
    2. 3.2.②購買率を伸ばす施策
    3. 3.3.③平均客単価を伸ばす施策
  4. 4.店舗マーケティングを成功させるポイント
    1. 4.1.①店舗の現状課題と要因を分析する
    2. 4.2.②顧客の購買行動を分析する
    3. 4.3.③効果測定と改善を行う
  5. 5.まとめ


店舗マーケティングとは

店舗マーケティングとは、店舗の売上を最大化するために実施する一連の戦略的な活動を指します。


▼店舗マーケティングの活動例

  • 市場調査
  • 商品の企画開発
  • プロモーション
  • 販売促進活動 など


近年、あらゆるモノが市場に存在しており、競合他社との競争が激しさを増しています。魅力的な商品であっても、店舗でただ販売するだけでは売上を向上させることが難しくなっています。

顧客に自社の商品を選んで購入してもらうには、“店舗での買い物を通してどのような体験価値を提供するか”“ターゲット層の購買意欲をどのように高めるか”といったマーケティング戦略が欠かせません。



店舗の売上を構成する3つの要素

店舗マーケティングに取り組む際には、店舗の売上を構成する3つの要素について理解しておく必要があります。店舗の売上は、[売上=来店客数×購買率×平均客単価]という方程式で構成されています。


▼店舗売上の構成要素

構成要素

概要

1.来店客数

店舗に来店した顧客の人数
新規顧客とリピート顧客に分けられる

2.購買率

来店顧客のうち、実際に商品を購入した顧客の割合
[平均客単価=店舗売上高÷購入客数]で求められる

3.平均客単価

顧客1人当たりが購入する平均額
[平均客単価=店舗売上高÷購入客数]で求められる


来店客数は、店舗の売上を左右する重要な要素です。買い物がしやすい陳列方法や購買意欲を刺激するディスプレイなどを取り入れても、来店客数が少ないと売上の向上にはつながりません。

また、来店客数が多くても実際に購入してくれる顧客が少ないと売上は伸びなくなります。より多くの顧客に商品を購入してもらうとともに、“ついで買い”“合わせ買い”によって客単価を高める仕掛けづくりが必要です。



店舗マーケティングの実践方法

店舗マーケティングに取り組む際は、来店客数・購買率・平均客単価という3つの構成要素別に売上を向上させるための施策を検討する必要があります。


①来店客数を伸ばす施策

店舗への来店客数を伸ばすには、新規顧客とリピート顧客に対してそれぞれ異なる施策を打ち出すことが重要です。


▼新規顧客を増やす施策例

  • Webやチラシ、DM(ダイレクトメール)などの媒体で広告を出して、店舗・商品の情報を発信する
  • インターネットの検索エンジンにあるマップに店舗の情報を登録する
  • 店舗の入り口や商業施設、駅構内などに看板・ポスターを貼り出す


▼リピート顧客を増やす施策例

  • 商品を購入した顧客へ次回来店時に使えるクーポンを配布する
  • 公式アプリケーションやSNSの公式アカウントで店舗情報を発信する


新規顧客を増やすには、企業名やブランドなどの認知を拡大させる必要があります。オフライン・オンラインの施策を組み合わせて、来店してほしいターゲット層と接点を持ちやすい方法・媒体でアプローチすることが有効です。

また、一度来店した顧客と継続的に接点を持てる仕組みを整備したり、次回の来店を促す特典を付与したりすることで、リピート顧客の獲得につながります。

なお、目立つ広告の作り方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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②購買率を伸ばす施策

購買率を伸ばすには、来店した顧客が商品に触れる機会を増やして「買ってみたい」という興味関心や好奇心を刺激する売り場づくりが必要です。


▼購買率を伸ばす施策例

  • 顧客のニーズや季節、イベントなどに合わせた商品を販売する
  • 商品をカテゴリ別に分類して陳列する
  • スムーズに店内を見て回れる動線をつくる
  • おすすめ商品や売れ筋商品を目につきやすい場所に配置する
  • POPや装飾などで商品のイメージを向上させるディスプレイをつくる など


回遊しやすく、どこに何の商品があるか分かりやすい売り場は、快適に買い物ができるようになり、商品を購入するきっかけを創出できます。

また、重点的に売りたい商品を目立たせたり、商品の魅力が視覚的に伝わるディスプレイを取り入れたりすることで、購買意欲を高めて購入を後押ししやすくなります。

なお、棚割りを最適化する方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

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③平均客単価を伸ばす施策

平均客単価を伸ばす施策には、クロスセルとアップセルの2つが挙げられます。

クロスセルは、一度により多くの商品を購入してもらう施策です。アップセルは、より高額な商品を購入してもらう施策です。


▼クロスセルとアップセルの施策例

  • 特定の商品に関連する商品を近くに陳列する
  • 顧客が購入する商品の関連商品を店員が提案する
  • 商品のラインや価格帯別に特徴を説明するPOPを陳列場所に配置する など


“ついで買い”や“合わせ買い”を促したり、高価格帯の商品が持つ価値を分かりやすく訴求したりすることで、顧客一人当たりの購入点数や購入価格を増やせる可能性が期待できます。

なお、商品購入の相乗効果が期待できるクロスマーチャンダイジングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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店舗マーケティングを成功させるポイント

店舗マーケティングを成功させるには、現状の課題とその要因を明らかにするとともに、購買行動の分析と効果測定を行い改善につなげることがポイントです。


①店舗の現状課題と要因を分析する

店舗マーケティングの施策を検討する際には、売上を構成する3つの要素のうち現在どのような課題があるのかを特定する必要があります。

例えば、来店客数は悪くないにもかかわらず売上が伸びない場合、購買率に課題があると考えられます。なぜ購買率が低いのか要因について仮説を立てることで、具体的な施策を検討しやすくなります。


▼3つの構成要素で課題を分析する方法

構成要素

代表的な分析方法

概要

来店客数

商圏分析

店舗周辺地域の人口、住民の家族構成、競合他社の出店状況などから、ポスティングや
販促物設置のエリアを分析する

購買率

ABC分析

販売実績データを基に各商品の売上構成比を算出して、売上への貢献度が高い
​​​​​​​顧客層や商品を分析する

平均客単価

バスケット分析

POSデータを基に顧客がどのような商品を一緒に購入しているかを分析する


②顧客の購買行動を分析する

店舗マーケティングに取り組む際は、顧客の購買行動を分析して顧客視点に立ったアプローチ方法を考える必要があります。

顧客がどのような経路で店舗に来店して、商品の購入に至るのかを段階的に可視化した“カスタマージャーニーマップ”を作成することが有効です。購買行動の各プロセスにおいて顧客のニーズや感情、行動パターンなどを可視化することで、顧客体験の改善策を検討できます。


▼カスタマージャーニーマップを作成する際のポイント

  • ターゲット層の人物像を詳細に定義したペルソナを設定する
  • 認知・興味関心・比較検討・購入の各プロセスで顧客の行動を洗い出す
  • 各プロセスにおける顧客の思考や感情の変化まで深掘りする


③効果測定と改善を行う

店舗マーケティングの施策についてどのような変化があったか把握するために、効果測定を実施して改善を図ることがポイントです。

施策を実行する前に具体的な数値目標を設定しておくと、測定したデータから効果を判断できるようになります。効果測定の結果を踏まえて、課題の分析や改善策の仮説を立てることで、より効果的なアプローチにつなげられます。



まとめ

この記事では、店舗マーケティングについて以下の内容を解説しました。


  • 店舗マーケティングの概要
  • 店舗マーケティングの実践方法
  • 店舗マーケティングを成功させるポイント


店舗の売上を向上させるには、顧客に提供する体験価値や購買意欲を高める仕掛けづくりなどをマーケティングの視点で戦略的に考えることが重要です。

現状課題や購買行動などを整理・分析したうえで、来店客数・購買率・平均客単価といった3つの要素から施策を打ち出すことで、売上の向上を図れます。また、施策の実施後には効果測定を行い改善につなげることがポイントです。

ただし、購買行動の分析や効果測定には専門的な知識が求められます。より効率的かつ精度の高い分析を行うには、専用のツールを活用することも一つの方法です。

コニカミノルタの『EX感性』は、独自の画像解析技術と感性脳科学を組み合わせて、店舗マーケティングにおける課題や要因の分析をサポートします。施策の前段階でシミュレーションを行うことで、“売れる店舗”へとスピード感を持って改善を図れます。

EX感性に関する詳しい資料は、こちらからご確認ください。

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